目次
第1章 人は発達のために生きているのではない(そもそも心理学ってなんだ?;では、「発達」って?;それぞれさまざま、手持ちの力で)
第2章 目の前にいるのはひとりのこの子(「平均」の視線にしくまれた「危険の種」;ことばが生まれてくるところ;ことばは草花のように下から育つ ほか)
第3章 こどもと大人がともに生きあう(「選べる」ことの落とし穴;不審者・犯罪情報 その遠近を見分ける;怒らないでしかるのだ、というけれど ほか)
著者等紹介
浜田寿美男[ハマダスミオ]
1947年香川県小豆島生まれ。発達心理学・法心理学者。発達心理学の批判的構築をめざす一方、冤罪事件での自白や目撃の心理に関心を寄せ、それらの供述鑑定にもかかわる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スズコ(梵我一如、一なる生命)
8
素敵なタイトルと絵柄に惹かれて読書。著者については全く知りませんでしたが、とても優しい雰囲気の方だと文章と写真から感じました。読んでいて、近所のおじさんのような程よい距離感で、「あぁこういう見方があるんだなぁ」とか「もう少し子供に任せた姿勢でもいいのかも」など、ふっと楽になれるようなアドバイスを得られた。逆に、生まれ持った性格はなかなか治らない、などショックなものも素直に心に入り、少し覚悟の準備できたかも?子育てに煮詰まった時などに再読したい。そして、私もゆるやかで健全な家族を目指したい。2018/07/19
りるふぃー
6
「こどもは『親の自由になるとは思うな』。自分とこどもは別人格であるということを、忘れてしまうところに親の不自由さがあるのかもしれません。育てようとすればするほど、思いどおりにはなりません。なんとかおりあいをつけようとする。こどもと大人がときにぶつかりあいながらも、ともに生きるなかで、親は一人の人間として『育つ』こどもに出会い、自分にできることはほんの少しであると知る。その過程が、親になるということなのではないかと思います」2023/04/11
7a
6
遅れて前編を読んだ。浜田先生の紹介が序盤に掲げられており、やはりこちらから読むべきだった。さて、先を見るから今が出来ていないように思えるのだということ。2歳3歳くらいの親は子供の言葉が遅いと不安になるが、大抵は心配しなくても大丈夫。そこで無理矢理言葉を引き出すのは、顔を出していない芽を引っ張り出すことだ、という例えが深く響いた。今を生きる力を信じる。そしてそれが未来を生きる力を生み出す。あれができないのではないかという不安より、今これができることを喜びたいと思う。2018/03/28
ぱせり
4
「こどもたちがそれぞれの力で生活を楽しみ、自分なりの世界をくり広げているかどうか、また親としてこどもにその手持ちの力を使う機会を十分提供できているかどうか」「こどもがそのときの手持ちのことばを十分に使って、周囲とコミニュケーションする喜びを味わうこと」2020/12/08
白米
2
「ふむふむ」と思うところもあれば、「分かってはいるんだけれど、なかなかね…」と思うところもあった。子どものありのままを受け入れる。言葉にするのは簡単だけれど、それはそれは難しい。これを読みながら考えたことを大切にする。まずは「きちんとしなければ」と思うことをやめる。2020/05/08