出版社内容情報
長崎県佐世保市立大久保小学校児童殺傷事件。私が目指したのはいわゆる事件取材ではなかった。
大久保小学校の日常に何があったのか。何気ないふだんの出来事の集積が、「予想もつかない出来事」を生んだのかもしれない--と、私は意識して「事件の周辺」を歩き続けた。
保坂展人
こういう事件が起こったとき、ぼくら教師というのはほんとうのところはわからない。
子どもをわかったような気にならず、説明しきれないことがあっていいんだと思わないかぎり、子どもとは向かいあえない。ここから出発したいとぼくは思っています。
岡崎 勝
ネット、学校、バーチャル、心の闇、家庭環境……
さまざまな原因説をこえて語りあった人たち
石川憲彦、内田良子、浜田寿美男、宮台真司、森 達也
はじめに〈往復書簡〉
「わからないこと」を確かめながら
保坂展人 6
もし自分が担任だったら
岡崎 勝 11
ルポルタージュ
佐世保市立大久保小学校の日常に何があったのか?
保坂展人 17
親と先生の声
大人たちは事件をどう受けとめたのか? 40
対談
ぼくたちはニュースを どう見たのか?
森 達也 ・岡崎 勝 46
対談
女の子たちのグループに何が起こっていたのか?
内田良子・保坂展人 58
鼎談
ネット・コミュニケーションが加害少女を追いつめたのか?
宮台真司・岡崎 勝・保坂展人 68
ルポルタージュ
家庭裁判所の審判は事件の背景を語っていたか? 保坂展人 79
親と先生の声
「親の責任」はどこにあるのか? 112
対談
加害少女への精神鑑定は何を明らかにしたのか?
石川憲彦・保坂展人 118
対談
周囲の大人たちは事件の兆候を見逃したのか?
浜田寿美男・保坂展人 128
おわりに〈往復書簡〉
子どもと一緒に生活する者の原則
岡崎 勝 138
日常の中に隠されたメッセージ
保坂展人 148
2004年6月1日、長崎県佐世保市の小学校で事件は起こりました。躊躇している私の背中を押したのは、<世田谷こども・いのちのネットワーク>の仲間たちでした。「佐世保現地を歩いて、みんなに報告して欲しい」との声を受けて、学校や教育委員会に連絡を取り始めました。私はひさしぶりにフリージャーナリストに戻って、7月に1回、11月に1回、そして2月と計3回、佐世保を訪れました。
3回の取材を通して、「わかってきたこと」はほんの僅かです。むしろ、「わからないこと」を自覚し、意識することが大事だと自分にいい聞かせてきました。
今の子どもたちの生活や行動を見渡してみて、「わからないこと」を確かめながら、一歩一歩と慎重に進もうと思います。これから書き綴ることは、私の感覚で見た「大久保小学校で起きたこと」を再構成し、日本全国の子どもたちの現在を一瞬、照らし出してみようという試みです。
いわゆる「事件取材」からは何歩か距離を置いて、事件の「周辺」にあたる事柄に注目し、佐世保市内の人たちの声を聞き続けました。
(保坂展人「はじめに」より)
目次
ルポルタージュ 佐世保市立大久保小学校の日常に何があったのか?
親と先生の声 大人たちは事件をどう受けとめたのか?
対談 ぼくたちはニュースをどう見たのか?
対談 女の子たちのグループに何が起こっていたのか?
鼎談 ネット・コミュニケーションが加害少女を追いつめたのか?
ルポルタージュ 家庭裁判所の審判は事件の背景を語っていたか?
親と先生の声 「親の責任」はどこにあるのか?
対談 加害少女への精神鑑定は何を明らかにしたのか?
対談 周囲の大人たちは事件の兆候を見逃したのか?
感想・レビュー
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nino3
もりえ
なお
ジャンルバルクイネー