内容説明
「東のチキウ岬には、朝日に輝く金のびょうぶ。西のエトモ岬には、夕日に輝く銀のびょうぶ。どちらも人間に見せるには、もったいない美しさだ。それに近づく者は許さない。そのうえ、欲張って魚をもっていこうとするような人間は、生かしてはおけぬ」平和なアイヌのコタンに、悪い病気がはやりました。食料も底をつきかけています。酋長とその妻は、危険な岬へ魚を獲りに行ったきり、なかなか戻ってきません。心配になった娘は吹雪の中、二人を探しに出かけます。なんと岬には、神さまが守る不思議なもの―金と銀の、びょうぶのような美しい断崖―が隠されていたのです…。