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黄金色の夜

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  • サイズ B6判/ページ数 174p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784880084572
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0095

内容説明

紀州の炭焼きが出会った怪異譚、ほか五篇。熊野の奥深さを知る著者が描く山の伝奇小説集。

著者等紹介

宇江敏勝[ウエトシカツ]
1937年、三重県尾鷲市の炭焼きの家に生まれる。1957年、和歌山県立熊野高校を卒業後、紀伊半島の山中で林業労働にたずさわるかたわら、文学を学ぶ。現在、作家、林業、熊野古道後り部。文芸同人誌『VIKING』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

UK

29
三浦しをん推薦とのことで手に取る。物語ともエッセイともつかぬ素朴な筆致で淡々と山の暮らしが語られる。蒸かした里芋と渋茶。ふうむ。もうちょっと華というか色気が欲しいなあ。なるほど。お気に入りの作家の推薦だから気に入るかも、というのは成り立たないんだ。作家さんも逆に自分にないものに惹かれるかもしれないしね。2016/07/11

びぃごろ

14
【しをん推薦本】山人の伝奇が綴られていた。現代版柳田國男か。「猿の猟師」猪や鹿よりも猿(えんこ)の方がお金になったというが、やはり猟師は少ない。「黄金色の夜」TVで姥目樫から備長炭(白炭)を作る映像を見たばかりだったので文章で読めたのは嬉しい。山持ちから一定範囲を買い、木が無くなったら次へ移る。炭焼き釜で起こった不思議。「焼き子の朋友」は狸。「川に浮かぶ女」日置川の上流では昔ながらの狩川が行われている。木材を搬出する職人(ヒョウ)がその姿を見ると・・・「黒髪」土葬の儀式手順が細かく描写。「最後の牛使い」米2016/03/21

マーガレット

11
朝日新聞の書評委員、三浦しをんさんが2015年ベスト1にお薦めされていたので手に取る。紀州の山で暮らす人々の伝奇短編集。自然とともに暮らした山の民は、貧しくて、不便だけれど、心豊かで、私たちには見えないものが確かに見えたのかもしれない…。炭焼き、林業、牛使い…100年前から現代までの時代の変化の速さに驚かされる。霊験あらたかな熊野の山の自然が怖ろしいほどに美しく感じられる一冊。2016/01/27

ことちん

9
日本昔話のような短編集。山奥での炭作りの様子が鮮やかに描かれつつ、同時に山で起こる不可思議な話を綴った「猿の猟師」と「焼き子の朋友」が印象的。山での生活は子供目線では楽しそうだが、大人にとっては大変だろうと思う。2016/03/17

ワッピー

6
今となっては失われた山の生活誌を活写した短篇集です。猿を狩る猟師と炭焼き一家の交流「猿の猟師」、炭が完成する得も言われぬ瞬間「黄金色の夜」、炭焼きに戻った復員軍人と狸の交流譚「焼き子の朋友」、伐採した材木を川に流して運搬する狩川の怪異「川に浮かぶ女」、土葬をめぐる騒動「黒髪」、耕運機が普及しても牛を使った耕作を続ける「最後の牛使い」を収録。山の生活に(勝手な)ロマンを感じるワッピーは、異類交流という不思議はあっても、なお奇跡は起こらない現実を描いた「焼き子の朋友」の滑稽で物悲しい雰囲気にやられました。2016/04/24

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