内容説明
日本という異郷を生きた老知識人と、人生のおりおりの対話。
目次
1 中国・青島に生まれて
2 僕は学者では絶対にない
3 一歩前へ出る、ということ
4 自分の寿命をものさしとして
エピローグ 異郷にて
日高六郎略年譜
著者等紹介
黒川創[クロカワソウ]
作家。1961年、京都市生まれ。同志社大学文学部卒業。主な小説に、『かもめの日』(読売文学賞、新潮文庫)、『明るい夜』(京都水無月大賞、文春文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
19
2012年刊。日高六郎氏(2018年歿)に対する黒川創氏によるインタビュー。鶴見俊輔氏と並び、日高氏にも多くを学んできた著者ならではの距離感で、日高氏自身がなかなかまとめて来なかつた自らの歩みをまとめる。植民地生まれで戦前にかなりの高等教育を受けてゐることなどの立ち位置が、15年戦争下の日本の迷妄を外から見る視点を養ひ、その経験が更に戦後民主主義のさまざまな行動に繋がつてゆく。安保やべ平連、護憲運動など日本の社会運動、金大中氏への支援活動、脱走兵への援助など、多岐にわたる行動と、そのなかで思索を紡いで↓2020/11/25
エドバーグ
4
私が若いころ余りに著名な方でした。著名すぎて敬遠しており、初めて読みました。なんとなく日高六郎の概要は、わかります。なんとなくなので、著書を読まなくては。2018/11/05
壱萬参仟縁
3
岩波新書に安保闘争の本があったのを想起できる日高氏。実は中曽根康弘氏と同年齢か。全くお二人は立場が違うなぁ。迷いながら先延ばしの人だったようだ(18ページ)。日本人的な優柔不断な感じかな。歴史教科書に書いてあることを実体験されている、貴重な生きる証人。東大嫌い(67ページ)。鶴見俊輔氏と同様なんだな。評者も東大話法が嫌いだ(苦笑)。日本は警察国家になりつつある(117ページ)。やだな。安保闘争ではアメリカとの関係を今もどうしたらいいのか、なかなか原発収束や軍縮がうまくいっていない。次世代にツケがいくのだ。2013/01/19
Sin'iti Yamaguti
1
日高六郎については、いわゆる「進歩的知識人」の一人であることくらいしか知らず、その著作をほとんど読んだこともなかったが、「95歳の」という惹句にひかれた。エピローグでも、高齢施設のことが出てくるが、この歳にいたるまで精神が衰えていないことに心掻き立てられる。自分はいったい何歳までものを考えたり表現できるだろうか。2023/11/22
Teturou Simada
1
日高六郎を知っている人が、果たしてどれほどいるのか。もちろん僕だって直接知っているわけではない。それにしても、戦後民主主義というと丸山眞男の名前さえ忘れられているらしいし、えらい時代になったものだ。そんなことを考えながら読んだ。 感想はブログに書いてみた。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201904160002/2019/04/14
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