内容説明
人は死んで山に入り、山を胎内にして再生するという古代的な感覚を残す羽黒修験は、密教的色彩に彩られ複雑に儀礼を発達させたが、その千年の折重なった層が、羽黒山伏の秋の峰として、今も鼓動しているのである。中世以来日本文化の精髄を保ってきた千年の修験は、時代に耐えられるのか?現在に存続する価値が本当にあるのか?これから百年、二百年、さらに一千年という未来に向かって、存続できる力と価値があるのだろうか。そうした修験の過去と未来を問うてみようとしたのがこの本である。「この道場は甚深秘密の霊峰なれば、他言は堅く禁制でござる」とされる羽黒修験の内からの声をお届けする。
目次
修験はどのように行われるか―羽黒修験秋の峰入りを中心として
山伏の発生
秋の峰の歴史を歩む
「声」と「音」がつくる儀礼―修験道儀礼の音空間
六根清浄―秋の峰と内的浄化
羽黒山・開山伝承の宇宙観(コスモロジー)
考古学からみた羽黒修験
羽口修験の儀礼と芸能
冬の峰のコスモロジー
ドキュメンタリー映画『修験 羽黒山 秋の峰』シナリオ
著者等紹介
北村皆雄[キタムラミナオ]
1942年生まれ。早稲田大学第一文学部演劇卒。ヴィジュアルフォークロア代表。駒沢女子大学講師(映像民族・人類学)
島津弘海[シマツコウカイ]
1947年生まれ。専修大学経済学部卒。羽黒山荒沢寺住職
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