感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
4
アリスランド、卵宇宙/水晶宮/博物誌、綾取り人、都市の肖像、アダムズ兄弟商会カタログ第23集、黙契の日々、樹的世界、塔。初期の幻想ガイドブック風の詩集は、それぞれが白鯨を思わせる。解説の高山宏が言うようにマニエリストによるわざ。ところが神話や伝説などの物語をかたる段になると、極めてオーソドックスになるのが興味深い。また、ときおり挟まれるスポーツのモチーフが土着性というか、地元民、庶民性を感じさせた。寺山修司が好きそうな詩は最初だけかと寂しく思っていたら、本巻最後の「塔」で復活していて、読んでいて拍手した。2017/05/13
渡邊利道
2
いまやもっとも懐かしい感じがする80年代の物語詩の数々。ボルヘスと幻想文学を強烈に想起させる、どこかリリカルで自己完結的な世界。分類すること・網羅すること・構成あるいは配列すること。2019/04/03
黒猫グリ子
2
普段、詩に親しむ機会が少ないが、虚の世界を貪り読んだ。読後も、あのあるかなきかの世界に戻りたくなる。とりあえずボルヘス「伝奇集」を読んだあと再読し2へと読み進めたい。2016/12/01