感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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7
「死ね ち いうとは やめてくれんの。死ね! 死ね! 地のそこから 手まねきしとらす。あんたから なんか いわるると みみのあなから 血のずる。もう ままはいらん どくばのませてくれんの。」(58ページ。「血の父」)2018/04/20
Cell 44
3
誰もがこの血を背景にして、目を瞑ればいつでもこの地獄に近づける。この血の詩は血で読み血で記憶するものだ。ここの空は地の下にある。おぎゃあと生まれたものを殺してうまかうまかとくう。仏壇にはいれないものたちに手をあわしてくう。地獄にゆくものときまっているものは、じごくにゆくのはうれしかことで、わたしもめをつむって、ふこうなるやみにくわれて、じごくにゆくあなを、すとーん、とおちてゆくことになるのだろう。2015/01/20
桜井夕也
2
「もうすぐ しぬので こうこくのうらにかきます/しぬと じごくにゆくので かえってこれんので しぬまえに こうこくのうらに/かきます/えんぴつば なめなめ かいとるので じがきたのなるので ごめんです」しんどかった。しんどかったが、一気に読んだ。俺も地獄に行くんだろう。母の手によって。R.I.P2014/05/29
kentaro mori
1
親鸞だ!!⚫︎もうすぐ しぬので こうこくのうらにかきます/しぬと じごくにゆくので かえってこれんので しぬまえに こうこくのうらに/かきます/えんぴつば なめなめ かいとるので じがきたのなるので ごめんです/さきに じごくとかきましたが じごくにゆくことはあたりまえのことですけん/すこしも しんぱいしておりませんが/じごくにゆくごたるこつばかりしてきたので じごくにゆくことは あたりまえで/じごくにゆくことは ちっとも えずなかけど じごくにゆくことしかでけんもんが/こげなことをかいて よかか2024/02/11
yoshiwoemon
0
まだ古賀忠昭という詩人をしっかり読めていないと感じる。といってもこの一冊をとりあえず読んだだけなのだけど。詩の全身に漲るこの人の気迫に対して何事か書くのもまだ恐れ多い感じがする。 印象としてはひじょうにグロテスクで、血と汚物と暗さとが隅々まで満ちているが、静止して淀んでいるのではなく、常に活き活きと流動している。熱くなったり冷え込んだり、湿ったり乾いたりと。モチーフは一貫しているが一辺倒なものではない。ただ、俺はまだ、おびえています。その母に。血へ。2018/03/18