内容説明
1959年夏のスペイン旅行に焦点を定めて、「以後は、ふたたび交わらぬ道」をうたった悲歌『エレヒア・カンタブリカ』は、遠い時間を造型したもの、「非道も知らぬ世界」をはるかにしのぶ抒情詩、うたう現在とは懐旧と悔恨というほそい抒情の糸でつながった詩である。それに対して、『アラビア湾岸物語』の詩句はさらに散文にちかづいている。ほとんど行分けされた散文にちかい。そうやって語られるQ…氏の像に、著者は引用によって「憂い顔の騎士」を重ねあわせた。
目次
エレヒア・カンタブリカ
アラビア湾岸物語(前口上;彼の腕力は…;それはまことに奇妙な…;フセイン・アル・マージド;ホテル・オアシス;亡命者;ピカレスク;それから ほか)
-
- 和書
- 北原龍太郎画集