内容説明
20世紀初頭から現代までを10年単位で区切り、それぞれの10年間を反映しているアメリカ文学作品を一冊選出。現代の視点からそれらの作品を読み直し、1900年から今日までのアメリカとアメリカ文学を展望する。論者それぞれが作品にじかに向き合い、文学を読む楽しみを追求しながら、文学を学ぶ意義を問い直す一冊。
目次
一九〇〇年代 セオドア・ドライサー『シスター・キャリー』
一九一〇年代 ウィラ・キャザー『ぼくのアントニーア』
一九二〇年代 シンクレア・ルイス『メイン・ストリート』
一九三〇年代 ウィリアム・フォークナー『エルサレムよ、もし我汝を忘れなば』
一九四〇年代 ノーマン・メイラー『裸者と死者』
一九五〇年代 バーナード・マラマッド『アシスタント』
一九六〇年代 ジェイムズ・ボールドウィン『アナザー・カントリー』
一九七〇年代 マキシーン・ホン・キングストン『ウーマン・ウォリアー』
一九八〇年代 ジョン・アーヴィング『サイダーハウス・ルールズ』
一九九〇年代 トニー・クシュナー『エンジェルズ・イン・アメリカ』
二〇〇〇年代 ジョナサン・サフラン・フォア『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nranjen
5
研究者が定期的に集まって、読む機会がないような本を取り上げて、論じたという、会の面白さや楽しさがそのまま伝わってきそうな本。20世紀が扱われていて、各10年ごとに一作品の分析が行われている。作品の前提となる社会的状況がまとめられていてためになる。構成員がおそらく教える立場にあるからか、学生に対してこういうものを論じさせたら面白そうだ、ということが書いてあったが、その土台を決めてしまわずに、もっと自由に論じてもらった方がずっと面白いと思う。前提資料の社会的状況も、見方によれば全然違うものになるのだから。2021/12/06