内容説明
旱魃が続き、海が魚の死骸で埋め尽くされた1967年の夏。その異常な季節を、語り手「僕」と仲間たちは、ヴァイゼルというユダヤ人少年と共に過ごした。夏の終わりヴァイゼルは姿を消す。そのときから今に至るまで、「僕」は問い続けている―「ヴァイゼルとは何者だったのか」と。発表されるや「10年に一度の傑作」と絶賛され、作者ヒュレの名を一躍高らしめたデビュー長編、待望の邦訳刊行。
著者等紹介
ヒュレ,パヴェウ[ヒュレ,パヴェウ] [Huelle,Pawel]
1957‐。グダンスク(旧ドイツ領ダンツィヒ)に生まれる。大学卒業後、大学講師、自主労組「連帯」の広報宣伝スタッフ、グダンスク・テレビ支局長、文芸批評家などとして活動するかたわら詩を書き、文壇デビュー。世界各国語に翻訳される現代ポーランド文学の作家のひとり
井上暁子[イノウエサトコ]
東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。現在、熊本大学文学部准教授。専門は、ポーランド語圏を中心とした中・東欧文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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