内容説明
奴隷制社会およびそれに続くポスト奴隷制社会において、性暴力をはじめとする様々な暴力に苦しめられてきた女性たち。その苦しみを癒し、彼女たちを守ったのが、女性どうしの連帯=「シスターフッド」だった。マリーズ・コンデの作品をはじめとする、カリブ海地域を舞台にした小説の女性登場人物の声をたどりながら、「シスターフッド」を拠りどころにした女性たちの「抵抗」をあとづける。
目次
序章 「強姦」に抗うために
第1章 『わたしはティチューバ』における「強姦」への「抵抗」
第2章 『混血女性ソリチュード』における奴隷制への「抵抗」
第3章 『奇跡のテリュメに雨と風』における「シスターフッド」
第4章 『移り住む心』におけるハイブリッドと「乳白化願望」
終章 「強姦」被害者のエイジェンシーと「シスターフッド」
著者等紹介
大野藍梨[オオノアイリ]
1982年生。立命館大学文学部地理学科卒業、立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了(博士・学術)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構国際言語文化研究所客員協力研究員。専門はフランス語圏カリブ海文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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