内容説明
ギリシア神話にある冥府下りのエピソードを大胆に翻案。リオの貧しい黒人たちが住む「丘」を舞台に、ギターの調べとサンバのリズムにのせて語られるオルフェウとユリディスの悲劇。マルセル・カミュによる映画『黒いオルフェ』の原案として知られ、長らく邦訳が待ち望まれてきた幻の戯曲。
著者等紹介
モライス,ヴィニシウス・ヂ[モライス,ヴィニシウスジ] [Moraes,Vinicius de]
1913‐1980。リオデジャネイロ生まれ。1933年に最初の詩集『彼方への道』を出版。大学卒業後は、政府関係機関の職員として、ジャーナリストとして、また外交官として働きつつ、詩作を続けた
福嶋伸洋[フクシマノブヒロ]
1978年生まれ。東京大学文学部西洋近代語・近代文学科卒業、東京外国語大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(学術)。現在、共立女子大学文芸学部准教授。NHKラジオのポルトガル語講座、カルチャーラジオ『ボサノヴァとブラジルの心』講師も務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みみみんみみすてぃ
12
戯曲。ギターを奏でるオルフェウの姿が思い浮かばれ、どこか可笑しいのだが、物悲しい。僕は無学なのでこれが大昔のギリシャ神話などに関係しているのかもしれないが、そんなことを知らずとも、さくっと読めてしまう、面白さがあると思う。独特の言葉、楽器。2016/12/28
刳森伸一
5
ギリシア神話のオルペウスの冥府下りを現代ブラジルに衣替えした戯曲。全体的にオルペウスの冥府下りに忠実で、特に途中までは単なる焼き回しみたいに思えたが、後半は一捻り効いていて悪くない。2018/10/26
生田美由紀
1
ギターの名手、歌の名手がいないと上演不可能。ポエティックな言葉、明るいだろうサンバなどの南米の音楽が意外と死に近いところにあるのかも、という発見。2019/08/26
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