内容説明
ある出来事が起こり、それが語り継がれ、多くのヴァリアントを生んでゆく物語的次元の営みには、無数の人々の情念が触発され触発しつつ働いている。共通の主題を変奏する文学作品を読み解きながら、情動をめぐる言説の展開を浮上させる。
目次
1 「ファールン鉱山」モティーフの系譜(「ファールン鉱山」事件;「ファールン鉱山」物語の展開;真理への衝動;トラークル「少年エーリスに寄す」(一九一三年)
「生の過剰」)
2 歴史・伝承・物語(リップ・ヴァン・ヴィンクル変奏;マルタン・ゲール事件;「放蕩息子たち」;神話の創設と解体;「汝、偶像をつくるなかれ」―『シュティラー』(一九五四年))
3 「死の欲動」という思想
著者等紹介
中村靖子[ナカムラヤスコ]
大阪大学大学院文学研究科博士課程後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、名古屋大学大学院文学研究科教授。専攻はドイツ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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