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内容説明
ひとりの母親が、物語を語りはじめる。わが子のために。そして、すべての子どもたちのために。「クロアチアのアンデルセン」と称されるブルリッチ=マジュラニッチが、スラヴの民間伝承から材を採って作り上げた、神話的幻想の物語集。
著者等紹介
ブルリッチ=マジュラニッチ,イヴァーナ[ブルリッチマジュラニッチ,イヴァーナ][Brli´c‐Mazurani´c,Ivana]
クロアチアの文学者。1874年、クロアチアの小都市オグリンに生まれる。クロアチア総督で詩人のイヴァン・マジュラニッチを祖父にもつ。知識階層の家庭で育ち、数多くの文人、学者との出会いのなかで、その文学的想像力/創造力を育んだ。結婚、出産をへて子育てに没頭するうち、子どもたちを豊かな読書世界に導きたいという母親としての義務感が、自らの創作意欲と結びついたことに気づいたという。その作品は児童文学の領域において特に評価が高い
栗原成郎[クリハラシゲオ]
1934年東京都目黒区生まれ。東京大学名誉教授、博士(文学)。専攻はスラヴ文献学(スラヴ語学文学研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゅー
13
妖精や魔女が登場するおとぎ話。まだ幼い少年や少女や、彼らの家族が普通に死ぬ(殺される)ので、読んでいても気が抜けない。「クロアチアのアンデルセン」と呼ばれているらしいが、そう言えば本家のアンデルセンも残酷な話が多かった。暢気で気の良さそうな青年が妖精に取り憑かれて豹変する物語など、ある意味で現代的とも言えるのかも。一番気に入ったのは「姉のルトヴィツァと弟のヤグレナッツ」。両親を失った姉と弟の冒険物語。姉弟の無垢なゆえの強さに心穏やかに読めた。どの物語でも最後は正義が勝利するので意地悪な物語ではない。2018/05/15
もち
5
スラヴの神話をもとに編み出された児童文学。とてもおもしろかった。ドイツやイギリスなど、私たちのよく知る昔話とはまた違っている。おすすめ。2018/06/24
ハルト
2
とてもすばらしい、スラブ神話の幻想的世界。どこかなつかしく美しい、豊かな物語世界が広がっている。「クロアチアのアンデルセン」と呼ばれ、二度ノーベル文学賞の候補になったのも頷ける。もっと世に知られてもいい作品だと思う。2010/10/03
rico
1
スラヴ神話のモチーフを自由に使って織り上げられた華麗なタペストリーの貴重な翻訳。2010/07/25
ひつじ
0
美しく残酷で愛らしい、スラヴ神話の世界をかいま見られた。クロアチアに旅行にいくので、レゴチの絵本を探そうと思う。2014/05/18