感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
52
ウルリヒが巻き込まれた大愛国運動。祖国を世界に示すための偉大な理念を探すこの運動から見えてくるのは、人は「生きるべき道を示す」「絶対」の思想を求めているのに、この世には相矛盾する理念が氾濫しているのだということ。「偉大な男」アルンハイムはそんな現実を統合し適応し、ウルリヒは変転する観念や道徳などの「外部の規制」から自由であろうとする。でもそれは「何に縛られたいのかを」「知らないでいるということ」でもあるのだ。浮び上がる他民族国家の矛盾、反ユダヤ主義、物質主義と宗教・道徳との葛藤などにも注目しながら次巻へ。2020/07/27
NAO
45
秘かに計画されているはずの平行運動は、なぜか多くの人の知るところとなり、計画に参画しているというだけでひとかどの人間とみなされ、彼らの周囲に人が集まってくる。だが、計画は何一つ進んではおらず、計画とはそもそもそのようなものだとみなされる。こういった逆説的な提示があちらこちらに出てくるが、比喩や提示されたものに共感出来ないことも多く、何とも読みづらい。そんな中、ウルリヒとハンスの進歩に関する論争はなかなかおもしろかった。平行運動参画者たちの人間関係はさらにややこしくなり、恋愛問題にまで発展。どうなるのやら。2016/07/11
かんやん
23
理念なき(故にそれを求める)平行運動は軌道にのり、ラインスドルフ伯爵の秘書となったウルリヒの元に大量の投書が送られる。半数は「……へ帰れ」という趣旨であり、後の半数は「……を目指せ」という内容。千篇一律の世では、取り立てて大した事件は起こらず、決断は先送りにされる。いや、次々と事件が起こり、忘れ去られてゆく。同じことだ。恐ろしい地震が日本を襲い、反ユダヤ主義が高まり、世論は分裂していた。それでも、世界は「どうにかこうにかやっていく」。神はこの世を、真に受けてはいない。神のいう言葉を真に受けてはならない。2019/03/09
atomos
11
平行運動そっちのけで皆がいちゃついてるのはどうかと思うけど、第一巻より登場人物たちの変人度が高まって面白いからいいや。〈特性のない男〉ことウルリヒ君は何もしてないのに偉そうで意地が悪い。クズ男小説として読んでも面白い。翻訳文がかたいのには慣れたけど、やっぱり文庫で新訳を出してもらいたいなあ。2014/06/08
フリウリ
5
区切りのいいところ、次に読み始めるところまで、読みました。ストーリーと、作家自身の言葉と、まぜこぜになって進んでいくのは、おもしろいのか、おもしろくないのか……、作家の言葉に共感できれば……。 ?2024/02/15




