ギッシング選集 〈第3巻〉 余計者の女たち 太田良子

ギッシング選集 〈第3巻〉 余計者の女たち 太田良子

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  • サイズ A5判/ページ数 361p/高さ 21X15cm
  • 商品コード 9784879633934
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

1880年代英国の人口統計では、女性の数が男性をはるかに上回っていた。こうした深刻な社会問題をふまえ、女性にとっての結婚、仕事、自立とは何かを掘り下げたギッシングの意欲作。「フェミニスト・クラシック」の評価をうけているこの作品は今日なお新鮮であり、かつ重いテーマを担っている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

147
1880年前後の英国を時代背景にした物語である。女が男よりも 50万人多い世界… 「余計者」として 自活する女性たちの物語 …モニカとローダの対比を軸として 話は進む。 結婚が全てであるモニカと、仕事を優先する ローダ…モニカに固執する夫の異常さが 滑稽に読めるのだが…女性の自由を主題にした本作品だが、モニカの目覚めと相まって、 心落ち着く終わり方だった。 2018/05/26

ケイ

128
余計者の女…。19世紀末の英国。適齢期の女に見合うだけの男の数が足りない。すくすく育った子沢山の家庭の娘達が結婚前に父親に死なれたらどうなるか? 貧しさと直面する。教育も無ければ身体が資本。病に伏せれば死が迫る。美しい女が財産のある男と結婚しても自由は奪われる。「女性の教育や自立の大切さ、男に頼らない生活、貞操を守ることは自らを守ること…」。ギッシングは当時の女性の抱える問題に心をいためた男性作家かと思ったら、後書きを読むとまさに悪い亭主や男の一人だった。どういうつもりで書いたのか、興味がわく。2017/04/12

NAO

66
19世紀のイギリスは「女が男より50万人も多くいる」状態だった。結婚できない女、しない女は、「余計者の女たち」といわれていた。この作品では、余計者女たちの中でも自立心のある強いタイプの女性と、自分では積極的に何をするでもなく細々と生きている弱いタイプの女性が描かれている。強いタイプのローダは当時の女性の憧れの存在だったのだろう。そういった女性の自立を推奨するローダたちが労働者階級の女性には教育の必要などないと断言しているところに、時代を感じる。2020/08/14

きりぱい

7
男性より女性の方が50万人も多い。つまり結婚できない女性が多い・・ええー!余計者の女ってそういう意味なの!とタイトルの容赦なさに驚き。19世紀、貧しく、結婚の見込みもなく、自活しようにも下手に下層でない階級となるとガヴァネスぐらいしか職はなく、それさえ就けなければどうなるのか。惨めな暮らしに甘んじている姉妹に関わることになったのは、フェミニストの女性2人。結婚、古い女性観、思惑のずれた恋と次々起る問題は絶望を免れたかに思えたが・・。新しい選択に、ヒロインに思えたモニカが鮮やかにローダに取って代わる。2010/12/25

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