内容説明
下層階級の出身でありながら、貴族的性格と明晰な頭脳をもったゴドウィンにとって、故郷は忌わしいだけのものであった。上流社会に真の安息の地を求め、打算から牧師になる決心をするが―。強烈な自意識をもつ青年の野心と挫折を描いた青春の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりぱい
4
なまじ頭がいいだけに下層階級の出身に苦しみ、高慢で孤独、本当なら自分は誰より出来る人間なはずだと異様に自意識過剰な青年ゴドウィン・ピーク。上流階級への憧憬と野心から、反キリスト教主義者であることを隠してウィルコム一家に近づき、偽りの交際を試みるのだが・・。確かに嫌な奴だけれど、いざとなるとシビアに階級にこだわる社会にあって、暗さを背負った性格は哀れというしかなく、悪党というわけでもないんだな、と思い始めていたのに、ええっ!と思わず言葉に出てしまう、まさにギッシングらしい?結末だった。2011/11/11
timeturner
0
登場人物の誰にも感情移入できないし、語られることも「えー、そんなあ」とか「まさか」と思うようなことばかりなのに、それでも面白くて読んでしまう。2010/05/02