内容説明
商業主義に毒される文学界。そこで生きる様々な文筆生活業者たちの苦難の真相を容赦なく暴いたギッシングの代表作。19世紀末の英国を背景に、作者自身の体験をもとに描かれたこの作品は、現代日本の文学界、出版界、読書界のありようと、なにやら二重写しになる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
66
リアードンのモデルは作者自身で、リアードンの苦しい作家生活は作者の体験だという。時代に取り残され誰からも省みられなけれど、彼は、高尚で優れたものしか書かないという自負を支えに生きている。だが、リアードンと現実主義者ジャスパーのどちらが心に残るかというと、圧倒的に、ジャスパーだ。自分の分身であるがゆえにかえって、作者はリアードンを客観的に描くことができなかったのか、苦しみぬいているというのに、正しい文学者の在り方なのに、リアードンはあまりにも影が薄い。⇒2021/02/21
Э0!P!
2
ビッフェン「実際家になるべき、現実は妥協が必要、柔和になれ」2024/04/14
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