内容説明
自閉症を「関係」の視点から捉え直し、「こころの発達」に真正面から取り組むための、理解と支援のあり方。
目次
本書を読む前に
「関係発達臨床」が生まれるまで
今なぜ「関係発達臨床」か
「関係発達臨床」の基本にあるもの
自閉症の三大特徴(対人関係の障碍を「関係」から読み解く;コミュニケーション障碍を「関係」から読み解く;偏った興味、こだわり行動、繰り返し行動を「関係」から読み解く)
不可解な行動を「関係」から読み解く
「関係発達支援」で最も大切なこと
著者等紹介
小林隆児[コバヤシリュウジ]
1949年米子市生まれ。1975年九州大学医学部卒。福岡大学医学部精神科に入局し、児童精神医学を研修。1988年大分大学助教授(教育学部)。1994年東海大学教授(健康科学部)。2008年4月より大正大学教授(人間学部人間福祉学科臨床心理学専攻)。医学博士、児童青年精神科認定医、精神保健指定医、臨床心理士。専攻は児童青年精神医学、乳幼児精神医学、関係発達臨床学。現在、狛江のんびりクリニック(東京都狛江市)にて「関係発達臨床」を実践(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Natsuko
12
養育者との関係発達臨床からのアプローチ。事例が多くわかりやすい。大事なことに付箋をしていたら付箋だらけに。思わずノートにまとめた。アンビバレンス=相反する感情が同時に起こる心理状態。 彼らの言葉には私達とは異なった意味が込められている可能性を常に念頭に置き受け止めることが大切。常同的なせりふに潜む情動体験を探る。山中に取り残されたとき木の葉の音を訝しみ怯えるような気持ちが自閉症の方が持つ不安と警戒心かも。自傷他害は苦し紛れの行動。物理的構造の改善による職員も含む安心が好循環を生む。甘えの発生が兆しになる。2019/05/12
Naoki Shibata
2
個ではなく、母と子という関係から自閉症を明らかにしようと試みた本。かまってもらいたいけど、拒否してしまうというアンビバレンスな葛藤が母子関係の悪循環の原因になっている。大人の世界ではなく、子どもの世界を子どもの文脈でとらえよう。すると、パニックも、同じ言葉の繰り返しも、同じおもちゃも、違うものを表現し、伝えようとする子どもの情動があることがわかる。まずはそこから!2013/01/23
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