内容説明
日本を代表する左官職人が吐露する、思考の痕跡。体験に裏打ちされた『生きた言葉』が描く色の物語。
目次
色について
春と修羅―青色
東京―オレンジ色
師動カズ―透明
失われた国土―ひまわり色
日本への怒り―緑色
鏡のあいだ―闇色
ある左官の死―黒色
流れ者の桃―セピア色
放射冷却の朝―銀色〔ほか〕
著者等紹介
挾土秀平[ハサドシュウヘイ]
1962年岐阜県生まれ。左官技能士。1983年技能五輪全国大会優勝。1984年同世界大会出場。2001年高山に「職人社秀平組」を設立。天然の土と素材にこだわり、一般建築物から日本伝統家屋、オブジェなど多ジャンルを手がける。個展や講演・執筆活動など、左官の枠を超え日本国内外で幅広い活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Valkyrie
2
【図書館本】左官というと「建物の壁にセメントを綺麗に塗ってる人」の認識だったけど、もっと奥が深く、興味深い職業でした。江戸末期の天才左官「江戸屋萬蔵」作の朽ちかけた作品を前にして推理、研究していく姿は鬼気迫るもの中に子供の憧れを感じる。自然と会話する挟土さんは色彩の感覚も絵の具ではなく繊細な自然の色。また仕事に妥協をしないが故に怒りがエネルギーとなっていると思う。2020/11/08
moririn
2
いつも挾土さんの言葉から感じられるのは 故郷への愛と 仕事への情熱。そして今の仕事に生きている ネイチャー 自然を受け入れ その本質を見つめる ということ。あのアマン東京で 零れ落ちた花びらにまで感じた優しさ・・・私の中で ピタリと重なり嬉しくなった。挾土さんは どこまで進んで行くのだろう(^-^)2019/08/18