内容説明
自然風景地を知りつくし、深い思索をめぐらす元国立公園管理者(レンジャー)の渾身のライフワークである。紀行文、風景画、現代アート、環境文化、景観保護、自然観光などの幅広い風景文化から、暮らしと美をつなぐ物語をつむぎだし、独創的な風景論を展開している。成熟した現代社会の重要なテーマ=風景の根源的問題を考えさせられる労作である。
目次
はじめに―風景の記憶と物語
第1章 自然景の変遷
第2章 風景の日本近代
第3章 大自然へのまなざし
第4章 風景の政治学
第5章 自然地域に展開する現代アートの風景
第6章 新たな風景の生成
第7章 自然の風景論
おわりに―東日本大震災の風景論
著者等紹介
西田正憲[ニシダマサノリ]
1951(昭和26)年、京都府生まれ。京都大学農学部林学科卒業(造園学専攻)、同大学院修士課程修了後、75年、環境庁(現環境省)入庁。北海道、山陰、東京、九州、山陽、京都に勤務し、全国の国立公園の管理に従事。81年には米国内務省国立公園局・ミシガン大学主催の国立公園等自然保護区国際セミナーに参加。88年、阿蘇くじゅう国立公園在任中に発病、2年間入院し、90年、岡山で社会復帰。その後、研究にうちこみ、96年、瀬戸内海の風景論で農学博士(京都大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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