内容説明
この10年来、睾丸腫瘍に関連する腫瘍学は大きな変貌を遂げている。高い精度をもつ腫瘍マーカーの出現、X線CTによる転移病巣の正確な検出法など、臨床医に答える診断上の情報は飛躍的に向上した。そして何よりも、VAB療法、PVB療法を中心とした多剤併用化学療法の開発は、転移性睾丸腫瘍の治療成績を全く質的に成熟させたのである。また化学療法を中心にしたこの集学的治療法の成果は、泌尿器科医にとって睾丸腫瘍を明るい生存の期待できるものに変容させただけではなく、固型腫瘍を近い将来撃破できるという自信を他科領域の多くの臨床医に与えているのである。睾丸腫瘍の治療におけるこのような激しい潮流の中で、1984年日本泌尿器科学会東部連合総会は、シンポジウム「睾丸腫瘍の治療」を取り上げ、睾丸腫瘍の治療の現状とその問題点を討議した。そのときの発表論文および討議内容をまとめたものが本書である。
目次
病期診断法
死亡例、再発例よりみた治療上の問題点
成人睾丸腫瘍の治療上の戦術と成績
進行性睾丸腫瘍の治療
進行性睾丸腫瘍の集学的治療
進行性睾丸腫瘍の化学療法
進行性非セミノーマ睾丸腫瘍の集学的治療
睾丸非セミノーマの治療成績
絨毛癌成分を含む睾丸腫瘍の治療
睾丸腫瘍725例の症例集計
睾丸腫瘍の治療における問題点
睾丸腫瘍の治療における問題点
睾丸腫瘍の組織分類―今日の問題点
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