目次
七竅
Blue Hour
HANNAH
花嫁1
“末の松山”考
あ文字のいた夏
memories
花嫁2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
18
A4サイズで厚みもちょっとした菓子折りみたいな詩集。「量」という形式をあらゆる方法で実験してみたような紙面のレイアウト。そこで言葉たちはどんな表情を見せるのか、読んでも読んでも彼らはつかまらない。つかみどころがなく、するりするりとすり抜けていく。てにをは(助詞)は崩壊し、主語や述語が乱反射し、何を強調するわけでもない倒置法がもはや倒置法でなく倒置される。注釈が注釈の位置におさまりつつも、自身が何であるのか忘れたかの如く何を注釈しているのかわからない迷宮じみてくる。2020/04/05
大分・別府鉄輪朝読書ノ会
5
言葉を癒せ。言葉はむろんなにかを主張したり、説明したり、誰かを攻撃したりするためだけにあるのではないが、昨今SNSなどを見ると、そういう使われ方しかされていなくて、ほとほとつかれた。眠るまえに、電話帳をひろげるみたいにぱらぱらとめくって、それら硬直した言葉を解放してあげて、もういっぽうの極を張らねばならない。2020/05/27
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5
やわらかな韻律と情緒性を持ちつつもそれらを周到に脱臼させていく感じが良かった。2019/10/14
渡邊利道
3
タイトル通りまず文字通り本の物理的なサイズのボリューム感とそこに収められた詩の分量がすごい。「である」がアクセントになったいかにも現代的な詩や、物語的なもの、ポップミュージックなど風俗的な記号がちりばめられたもの、注釈が縦横に詩的空間を繋ぐもの、和歌論と短歌と詩の境界侵犯的な作品などさまざまな技法がタイポグラフィックに大きな判型の誌面に配置されて、その大きさの中でゆったり揺蕩うように読んで楽しい詩集だった。2020/01/09