内容説明
電力エネルギーをいかに確保するか―。再生可能エネルギーは中長期的に必要だとしても、今でも普及は2%(水力含まず)に満たず、当面、課題は大きい。また発送電分離は発電の新規参入を促すが、2003年の北米大停電が発生したように課題も少なくない。論議を進めるうえで必要な知識とは―。
目次
第1編 電気が創り出した日本国家の繁栄(明治開国期の産業革命と電気の役割;敗戦後の高度成長をもたらした電気革命;オイルショックを救った原子力発電の積極導入)
第2編 電力供給の制度設計(商品としての電気;発電の経済学;発送電分離の社会的コスト;発送電投資における市場の失敗)
第3編 電気の技術的商品特性とスマートグリッド(“めげない”エネルギー供給ネットワーク;日本の電力系統と電気の品質;再生可能エネルギーの品質と課題;スマートグリッドの取り組みと課題;電力安定供給と電力自由化・発送配電分離)
第4編 わが国の二十一世紀型エネルギー戦略(二十一世紀のエネルギー戦略と原子力発電の必要性;九州地域のエネルギー戦略;格差と貧困を無くすエネルギー政策)
著者等紹介
石原進[イシハラススム]
1945年生まれ。69年東京大学法学部卒業、日本国有鉄道入社。2002年九州旅客鉄道(JR九州)社長に就任。09年会長。他に九州経済同友会代表委員など
永野芳宣[ナガノヨシノブ]
1931年生まれ。東京電力常任監査役、特別顧問、政策科学研究所所長・副理事長、九州電力エグゼクティブアドバイザーなどを経て、福岡大学研究推進部客員教授。他にメルテックス(株)相談役、イワキ(株)特別顧問、立山科学グループ顧問など
南部鶴彦[ナンブツルヒコ]
1942年生まれ。66年東京大学経済学部卒業。73年同大学院経済学研究科博士課程修了。学習院大学経済学部教授
合田忠弘[ゴウダタダヒロ]
1947年生まれ。73年大阪大学工学部電気工学科修士課程修了、三菱電機入社。電力流通プロジェクトグループ長などを経て06年九州大学大学院システム情報科学研究院電気システム工学部門(電気エネルギー・環境工学講座担当)教授。工学博士
土屋直知[ツチヤナオノリ]
1945年生まれ。69年九州大工学部卒業、日立製作所入社。81年正興電機製作所に転じ、研究開発室長、常務などを経て97年社長に就任。会長を経て現在、同社最高顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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