内容説明
姫路の高校に通う夏梅虎羽は、なぜか口笛で猫を呼べる。その特技をあてにされ、三毛猫だけの猫カフェ『トリコロール』を手伝う幼馴染の三宅華鈴に、猫が脱走するたびに駆り出されている。ある日虎羽は部活の先輩の黒川に、猫カフェ店主で華鈴の祖母である花枝に相談をしたいと頼まれる。実は三宅家の女性には不思議な力が備わっていて、その力でアドバイスをすることがあるのだ。話を聞いた華鈴が黒川にあるキーワードを伝えると―。猫と癒しのつまった、感動の物語。
著者等紹介
星月渉[ホシズキワタル]
岡山県津山市出身。投稿サイト「エブリスタ」で小説を書く。『三毛猫カフェ トリコロール』がデビュー作である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっしー
19
タイトルが気になって手に取りました。三毛猫しかいない猫カフェでの日常かと思っていたら、その猫達と協力しながら手紙を死者や未来に届けるというファンタジーでした。その光景は描写でも素敵だったので…見てみたいです。ただ、17歳の1年だけ過去や未来に行けるという展開になってからは、急に話の雰囲気が変わった感じがして…。面白くない訳ではないけど…ちょっと詰め込まれ過ぎた感がありました。2025/01/15
あゆみ
19
★★★☆☆ 口笛で猫が呼べる虎羽の特技が羨ましい。三毛猫専門の猫カフェ、三宅家の女性が持つ不思議な力、17歳である1年間だけ過去か未来のどちらかにタイムトラベルができるという設定は興味深い。第3話までの、華鈴の能力で依頼人の大切な人宛に手紙を送ったり返事を届ける話は素敵。でも華鈴が17歳になりタイムトラベルができるようになった後のストーリー展開に納得がいかない。ハッピーエンドではあるが未来を変えてしまうことの葛藤を描いていた割にご都合主義な展開が残念。2017/06/01
そーいち
17
以前の読書会にて教えていただいた本。姫路のローカルな部分まで細かく書かれていて驚いた。さらに驚いたのは星月さんが姫路出身ではないこと。岡山の津山市出身で現在は姫路在住ということ。そのわりには播州弁の使い方とかは上手く書かれていた。特に姫路駅周辺の店名が数多く使われているのが可笑しかった。北京閣とか現在は無いけど、別館は行き付けですよ、と。(笑) 物語としてはファンタジーにSF要素を上手く併せていて中々に楽しかった。よくあるタイムパラドックスに果敢に挑戦されていた点は好感が持てる。 2021/06/14
のいじぃ
15
読了。姫路城付近とファンタジーの融合作。ご当地小説でも北海道がやたらと多い中、姫路なのは珍しいと手に取りましたが、なるほど、混ぜるなk…いえ、何でもないです。とりあえず、慣れた土地と作者の好きなもので固めた二次創作に近い少女小説でした。主人公を含めて数人は標準語なのですが他は「播州弁」で話しているところがまたシュール。地名を苗字に使っているのは地元愛故なのかは不明、それ以外はややキラキラ寄りのネーミングセンス。どこかしら櫻子さんの少年が重なるのも気になりつつ、文章はしっかりしているので、これからですかね。2017/10/17
ゼニガメ
12
【にゃんこまつり】姫路城の城下町にある三毛猫専門のネコカフェ、トリコロール。虎羽は口笛でネコを呼び寄せる特技を買われて、準店員として、カフェに通う日々。トリコロールを経営する三宅家の女性には不思議な力がある。虎羽と幼なじみの華鈴の能力は、特殊な手紙を送ること。ネコたちが愛くるしい!こういう特殊能力で人助け系の話は大好き。だけど、タイムスリップ能力は話を盛り込み過ぎ。死者との手紙に重点をおいて、掘り下げた方が楽しめたかも。姫路城周辺のお祭りとか名物が織り込まれていて、行ってみたくなる。2018/02/24