感想・レビュー
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保山ひャン
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奢灞都館刊、上製本380部限定。「京の影絵」(京都を主題にした句)、「露地の朝夕」(露地が主題)、「まぼろしの巷ー旅ー」、「雪鶴ー四季雑詠」、「餘滴」東京懐古・荷風忌即吟・しぐれ一葉・寒鴉。木水彌三郎は晩年、「俳句(ハイキング)」と称して、書斎に居ながらにして登山をしていた、と編集後記にあった。大阪の島之内の商家の生まれで二十代半ばまでその地で過ごしたそうだ。「花散るや小鼓ひとつ別座敷」「落語家(はなしか)のをんな出入りや露地の秋」「さみだれやめをと装ふ湯治客」書斎で詠んだにしては生々しく艶めかしい句も。2021/02/04