内容説明
随筆。短編小説。植物学こぼれ話。寝ころんで花越しに見える青空。
目次
ひまわり(巻頭詩)(辻井喬)
向日葵(団伊玖磨)
萩(戸川幸夫)
萩(久保田万太郎)
萩(細見綾子)
万葉集の萩(佐佐木幸綱)
山房の山萩など(立原正秋)
コスモスを植えたのは不機嫌な中年の父なのだ(佐野洋子)
キバナコスモス(橋本昌幸)
茄子とダリヤと雑草(窪田空穂)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャーリブ
35
一月遅れですが、「花の名随筆」シリーズの八月の花を読みました。読みごたえのある随筆が多い月でした。博覧強記の澁澤龍彦の「トケイソウ」の話は、スペインの伝道師たちの「ミニアチュール的想像力」の話から山本亡羊の『百品考』まで縦横無尽。團伊玖磨の庭の「北面」の向日葵の話。中島敦の私小説風「夾竹桃の家の女」など味のある文章ぞろい。とりわけ気になったのが、和辻哲郎の「巨椋池の蓮」。巨椋池が干拓される前の蓮見舟の体験について書いたもの。まるで極楽にいるかのようだったと書いています。羨ましい。○2022/09/28