内容説明
『母権制』の著者は「象徴解釈学」の創始者でもあった。生と死が交錯する根源的な場から発せられる秘めやかな象徴言語を、雄大な構想力と膨大な学識を駆使して解読した知られざる大著。本邦初訳。
目次
第1部 三つの密儀卵―ある墓絵・図版三(図版三の墓絵に関する説明。卵とその二色。古遺物と文献に見られる同様の事例。その意味。バッコス秘儀における二色の卵と冠;墓碑におけるバッコス入信儀式のしるしとしての卵。個々の石碑の考察、とくにミュンヒェンの未公刊大理石断片、カールスルーエ美術館の墓燭台、ヴルチの香油壷の考察;サンタ・キアラ教会の石棺の考察。プロテシラオスとラオダメイアの神話における卵の意味 ほか)
第2部 縄ない人オクノス―ある墓絵・図版一、二(遺物と史料の一覧;編むことと織ること、及び撚り糸と縄の意味;古代自然宗教における湿地植物の意味。自生的成長とその神聖性 ほか)
付論 『カンパーナ美術館目録』に描かれた若干の墓壷。デルポイのオンパロスについて。イピゲネイアの犠牲と関連する卵
著者等紹介
バハオーフェン,J.J.[バハオーフェン,J.J.][Bachofen,Johann Jakob]
1815‐87。スイスの法学者、古代学者。サヴィニーを師と仰ぐ歴史法学派の一人。主著『母権制』(1861年)で展開された独創的な人類史の構想は、マルクス主義から深層心理学、神話学、宗教学、フェミニズムにまで影響を与える
平田公夫[ヒラタキミオ]
1948年生。岡山大学教授。西洋法制史
吉原達也[ヨシハラタツヤ]
1951年生。広島大学教授。西洋法制史・ローマ法
上山安敏[ウエヤマヤストシ]
1925年生。京都大学名誉教授。西洋法制史
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。