内容説明
密教占星法『宿曜経』と『竹取』『源氏』の密接な関連を明らかにし、物語文学誕生の秘密を探る注目の労作。
目次
『竹取物語』と『宿曜経』的宇宙観と運命観
『竹取物語』から『源氏物語』へ―『源氏物語』の主題と『宿曜経』
若紫はなぜ雀の子を飼い育てるのか―『若紫』(主題「女子養育」)
愚かな姫君と愚かな源氏―『末摘花』(主題「愚直」)
児めかしい女と夕顔の花―『夕顔』(主題「子供」)
悪心に苦しむ女と企む女―『紅葉賀』(主題「悪心」)と『花宴』(主題「企み」)
プロローグ(兼エピローグ)としての三巻―『桐壷』(主題「闘争」)、『帚木』(主題「咎」)と『空蝉』(主題「欺瞞」)
第2部 プロローグ(兼エピローグ)―波乱の幕開け
第2部本文 影から光の勝利へ―須磨と明石
第3部 波乱なき時代の物語
第4部 深まる影―女三の宮降嫁
第5部 源氏亡き後もなぜ物語は継続されるのか―影の世界としての『宇治十帖』
著者等紹介
大久保健治[オオクボケンジ]
1934年、東京生まれ。東京大学文学部、同研究科(修士課程)修了。国学院大学、東京都立大学教授を経て、現在は大妻女子大学比較文化学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。