無限の網―草間弥生自伝

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  • サイズ B6判/ページ数 249p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784878934650
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0093

内容説明

強迫神経症に苛まれながら、50年代後半に単身アメリカに渡り、ダリやウォホール等との交流の下にハプニングの女王として一世を風靡。今も前衛として世界に発信する比類なき才能の軌跡。

目次

第1部 ニューヨークに渡って―前衛アーティストとしてのデビュー1957‐1966
第2部 故国を去るまで―画家としての目覚め1929‐1957
第3部 反戦と平和の女王となって―前衛パフォーマンスの仕掛け人1967‐1974
第4部 私の出会った人、愛した人―G.オキーフ、J.コーネル、A.ウォーホル他
第5部 日本に帰ってから―日本から発信する世界のクサマ1975‐2002

著者等紹介

草間弥生[クサマヤヨイ]
10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描きはじめ、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作。1957年渡米。1968年自作自演の映画「草間の自己消滅」は第4回国際短編映画祭に入賞、第2回アン・アーバー映画祭にて銀賞を受賞。1973年帰国。1983年、小説『クリストファー男娼窟』で第10回野性時代新人文学賞を受賞。1986年、フランスのカレー美術館、ドール美術館にて個展。1989年、ニューヨーク国際芸術センター、イギリス・オックスフォード美術館にて個展。1996年からは主にニューヨークのギャラリーを中心に活動を始め、同年開いた個展は国際美術評論家連盟より賞を受ける。2000年、第50回芸術選奨文部大臣賞、外務大臣賞を受賞。同年、フランス・コンソルシウムで始まった個展は、パリ文化会館、オーデンセ美術館(デンマーク)、レザバトア(トゥルーズ)、クンストハーレ(ウィーン)を巡回。この先、韓国、東京へ巡回予定。2001年、朝日賞受賞
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感想・レビュー

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pino

48
草間さんは文筆の才もお持ちだ。読んでいる端から言葉が立体化するのだ。カンバスは天井まで積み上がり、オブジェや服で、空間が埋め尽くされる。そして「水玉模様」は床、窓、天井を這い出し、無限に広がる。彼女の魂は精神世界を彷徨い、スミレに脅迫され、網に囲まれる。恐れや苦痛を表現した作品に、自ら埋没し「自己消失」をはかり脅迫観念を克服するという。怒涛のような生きざまが読み手の心に焼きつく。アメリカで行った「ハプニング」の数々には卒倒しそうだが彼女の真髄に触れれば納得できる。強靭な魂で「私を生きる」草間さんが好きだ。2012/06/22

keroppi

23
一昨年くらいに、草間彌生が富士の版画に取り組むドキュメンタリー番組を見た。年はとっても、そのエネルギッシュな姿に引き込まれ、草間彌生をもっと知りたくなった。最近の新聞でこの本のことを知り読んだ。この過激で異常なエネルギーは、凄いの一語に尽きる。彼女の芸術作品にもっと触れたくなってきた。2016/10/21

スイ

14
私、何も知らなかったなぁ…。 草間彌生が作品を作る根っこは壮絶な戦い。 やがて作品自体も戦いとなっていく。 嵐のような自伝だった。 創作の動機が、人に認められるかどうかというところのもっとずーーーっと手前というか奥というか、自身が存在するかどうか、というところなので、無闇な謙遜がないのが新鮮。 しかしジョージア・オキーフの偉大さよ…。 草間彌生の作品に惹かれるものがあったのだろうけど、それにしたって。 厳しい道を行くことになる女性のアーティストの先輩として、労らずにはいられなかったのかな、と思う。2022/02/01

芍薬

13
凄まじい人生。彼女の時として不快にまで感じる圧倒的な水玉のエネルギー源に触れられます。 この世には何かに選ばれてしまったとしか思えない壮絶な人生を送る人が居て、魂を削るようにして何かを作らざるを得ない。 名声を得ると人は羨むけれどそんな作品をただただ鑑賞できるだけの幸せを私は感じました。2012/05/21

gokuri

4
少し前の作品だが、草間氏の半生が余すところなく伝わる「刺激的」な自伝。 最後の章で、日本に対するいらだち・憤りが示されているが、その状況は今もかわっていない。2015/10/17

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