内容説明
一九九六年二月、元KGBのブラートニコフ将軍配下の工作員サウリャクが刑期を終え、出所してきた。ブラートニコフの後継者であるミナーエフ連邦保安局(旧KGB)将軍はサウリャクの私的警護を内務省の友人に依頼、その警護の役目をおおせつかったのが、モスクワ市警の心理分析官アナスタシヤ・カメンスカヤ。ブラートニコフ将軍には裏の顔があり、サウリャクはその秘密の鍵を握る重要人物。ブラートニコフが暗殺された後、身の安全を図るために、刑務所に入っていたのだ。サウリャク出所のニュースは、いち早く対立陣営にも伝わり、彼の身柄を奪還しようとするが、アナスタシヤの巧みな機略により無事モスクワへ。首都では折しも大統領選の最中。候補者のマリコフはブラートニコフの暗殺に関与しており、サウリャクの動向は政治の中枢をも揺るがすことになる。権力者たちの野望が渦巻く中、アナスタシヤは事件の背後に潜む驚くべき事実に迫ってゆく。ロシア・ミステリー界の女王が描く、好評シリーズ第3弾。
著者等紹介
マリーニナ,アレクサンドラ[マリーニナ,アレクサンドラ][Маринина,Александра Б.]
1957年、リヴォフ生まれ。本名マリーナ・アレクセーエワ。モスクワ大学法学部卒業後、ソ連邦内務省アカデミーに研究員として配属。精神に異常のある犯罪者や暴力犯罪累犯者の人格研究を専門とする。その後、内務省関連の機関で犯罪の分析と予測の調査研究に従事。在職中にアナスタシヤ・カメンスカヤを主人公とする『事の次第』を発表、爆発的な人気を得る。その後シリーズとしてこれまでに全23作を刊行、現在は退職して執筆に専念。98年のモスクワ国際ブックフェアで「ライター・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、現代ロシア・ミステリー界の第一人者
吉岡ゆき[ヨシオカユキ]
1959年生まれ。東京外国語大学ロシヤ語学科卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橋川桂
コカブ