内容説明
騒乱のなかの最終講義。１９６８年、学生反乱の騒乱のなかで行なわれた新入生のための入門講義。ポパーとの実存主義論争を背景にフランクフルト学派批判理論を自ら明確に解説。学生への痛切な呼びかけ。
目次
社会学専攻者の就職の見通しと希望就職先
教養科目としての社会学と社会的に有用な仕事
合理的な学習計画をめぐる種々の困難
大学の高校化と学問の自由研究における隙間と飛躍
認識に連続性はない
「反対ノ方向カラ」の導き
合成物
コントにおける社会学の不均質性―自然科学的理想と哲学的理想
社会学における抗争
政治に対する社会学の態度〔ほか〕
著者等紹介
河原理［カワハラマコト］
１９６７年生まれ。現在、大阪大学大学院研究生、Ｐｈ．Ｄ。社会思想史専攻
太寿堂真［タイジュドウマコト］
１９６６年京都府生まれ。現在、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程在籍。社会思想史専攻
高安啓介［タカヤスケイスケ］
１９７１年大分県生まれ。現在、奈良芸術短期大学非常勤講師。美学および社会思想史専攻
細見和之［ホソミカズユキ］
１９６２年兵庫県生まれ。現在、大阪府立大学総合科学部専任講師。社会思想史専攻
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感想・レビュー
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ひろゆき
1
テープ起こしによる講義録。アドルノの授業が受けられるのですよ。来週の講義を休講にしましょうかと生徒に問いかけたりしていてリアル。社会学は哲学に似ていて積み上げがきかず、大学に残るならいざ知らず、これを使って就職は困難ですよとか親切なアドバイス。あくまで授業なので内容はそれなりに濃く、これを読む読者も通読するだけでなく、ノートとる必要があるかと。2017/09/19
Püppie
0
アドルノの大学での講義の録音をそのまんまタイプライターで起こしたもの。なので生徒たちの野次で中断されることも。コント、デュルケム、ヴェーバー、ヘーゲルたちを紹介しつつ、理論の重要性を常に主張するのは、この荒れ狂う学生たちを前にして言われてることを考えれば説得力が増す。変なことを嗅ぎ回ってばかりいないで勉強もしなさい、と、そんなことを講義の始めに毎回のように言ってたっけ。で、毎回一度はヘーゲルを褒める。アドルノの言う理論って、ヘーゲルの語り方に社会学者たちの見つけた題材で肉付けしたようなもの？2011/03/07
