内容説明
持統女帝に憑依した蘇我一族の怨霊と死闘する修験道の開祖=役行者の素顔。
感想・レビュー
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翔亀
22
三部作完結。壬申の乱の結果、里の国の王になった天武と、山の国の王となった小角。天皇になって精彩のない天武に比して、小角は山の王として大活躍。といっても政治とか国造りとかではなく、専ら<行>(祈り)。大旱魃の雨乞いのための凄まじい<行>が山の民20万人の祈りとともに遂に雨を降らせるくだりは、黒須伝奇アクション(?)の到達点だろう。もう一つ、持統の33回に渡る吉野行の真相も明らかにされる。そう、小角に会いに行っていたのだ。里の国と山の国との秘められた交流。緻密でありながら大胆で新鮮な歴史解釈がここにある■932014/06/19