内容説明
夢見る怪物たちの、もうひとつの中華帝国。中国の途方もない機械=魔術。そのすばらしい源泉から驚異を呼びだした鉄人がいる。南方熊楠が博物学を、渋沢龍彦が欧州美術を、そして寺田寅彦が物理学をおもしろくしたように、いま、武田雅哉が中国学をおもしろくする。
目次
1 さかしまの地理学
2 人工宇宙の遊び人たち
3 怪物たちの午後
4 桃源郷の機械学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mentyu
3
古代から1980年代までの中国の「世界観」をめぐるエッセイ集。特にSFの話が面白い。清朝末期の大衆小説で描かれた、21世紀まで存続した大清帝国という最高の世界観。1980年代の児童書では、天界を逃げ出した猪八戒が、墜落したヒマラヤでコールドスリープし、2020年の中華人民共和国で高度な科学技術に接するというものまである。まだ貧しい自転車大国だった中国で描かれた2020年が、豊かになった現実のそれと大差ないのが、何ともすごい。2021/12/14
Mentyu
2
再読。この本みたいに装丁がおしゃれで、博物学的(荒俣宏的な意味で)な書物は今やすっかり見なくなってしまったなと。80年代・90年代の豊かさを感じる。2023/09/07
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