内容説明
相撲が大好きな河童。夜な夜な現れる幽霊。団扇で火を消す天狗。人々の暮らしや文化、信仰から生まれた妖怪たち。埼玉で語られた伝承から、怖ろしくも心惹かれる謎の世界をめぐる姿を変えて、妖怪たちは今どこに…?!
目次
第1部 妖怪をめぐって(妖怪とは何か;埼玉の妖怪を考える)
第2部 妖怪ゆかりの地を訪ねる
第3部 埼玉の妖怪百態(水辺・水中の妖怪;山や森の妖怪;路傍・路上の妖怪;人里の妖怪;生物・器物などの怪異)
著者等紹介
大明敦[ダイミョウアツシ]
1959年生まれ。埼玉県立博物館(現埼玉県立歴史と民俗の博物館)、埼玉県立民俗文化センターを経て、さいたま文学館に学芸員として勤務。現在、さいたま文学館主任専門員。専門分野は日本近代文学、口承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユラニト
6
表紙が可愛いので児童書かと思ったが中身はなかなかボリューミー。埼玉に独自の妖怪っているの?といった感じでいたが袈裟坊など固有名のある河童を代表にたくさんの妖怪たちが紹介されている。知っていたり行ったことがある場所についても書かれていたり埼玉出身者としては嬉しいです。行けそうなところは見に行ってみたいな。また日本中に存在する一種の妖怪(河童など)について昔からそう呼ばれていたの?という疑問にも一つの回答を示してくれている。参考書籍も巻末にたくさん書いてあって是非ともそちらも読んでみたい!2024/04/18
DEEP埼玉
2
河童、天狗、山姥、山男、ダイダラボッチ...と、妖怪の種類別に埼玉県に伝わる伝承・昔話を整理した便利な本。画像も多数収録しているのでイメージがつかみやすい。特に興味がひかれたのは怪異を経験しながら生き延びた逸話。山姫の楽の音に魅了された若者が生還した後で経験を語らず、年老いてから一本足の山姫の絵を描いた話。天狗にさらわれた武市という少年が家に戻ってから天狗の薬を作って大正時代まで売っていた話など。明治や昭和になっても怪異譚が生まれていることも興味深い。河童が蓄えた尻子玉のどろりとした感触は妙にリアル。2023/09/14