内容説明
『失われた時を求めて』への誘い。プルーストに影響を与えたラスキンの芸術論、そして『反サント=ブーヴ論』を入口に、「私」という「閉じられた瓶」の中に孤立し、断片化した「他者性」を、生命と自然、人生と芸術の織りなす豊かな広がりへ向けて解き放つ比喩の作用と小説の構造を解き明かす。巻末に登場人物と物語を要約する全七篇の解題付き。
目次
第1章 ラファエル前派、ラスキンとプルースト―そのイメージ対照
第2章 見ること、感じること、夢見ること
第3章 『反サント=ブーヴ論』と、芸術創造的自我・書くことの生成
第4章 プルースト文学の比喩と小説の構造
第5章 『失われた時を求めて』の「私」、魂、他者性
第6章 『失われた時を求めて』の自然、生命、芸術―再びラスキンと
第7章 写真、絵画、映画とプルーストの総合芸術性
『失われた時を求めて』全七篇解題
著者等紹介
葉山郁生[ハヤマイクオ]
1948年生まれ。1972年京都大学経済学部、1974年同文学部フランス文学科卒業、地方公務員勤務などを経て現職、大阪芸術大学教授(創作論、文芸研究)、“一般社団法人”大阪文学協会(大阪文学学校)代表理事、小野十三郎賞(大阪文学協会・朝日新聞社共催)実行委員会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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