内容説明
「生き直すために必要なものは、信頼できる大人」(少年院出院者)。今回の改正案は、本当に18・19歳少年の姿が見えているのか。少年事件事例などを踏まえて、少年法「改正」案の狙いと問題点を浮き彫りする。
目次
巻頭座談会 厳罰化に大きく踏み出した少年法「改正」―18・19歳を「特定少年」とする改正案の問題点と今後の課題
第1部 18・19歳非行少年の現状と少年法改正
第2部 Q&A 18・19歳非行少年の立直りと少年法
第3部 18・19歳の少年事件事例集 立ち直った元少年たち
第4部 座談会/少年院出院者は語る 痛みを知る人こそ活躍できる社会に
第5部 一言メッセージ集 少年法はもっと生かせる!
資料篇 少年法改正に反対する声明等
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J D
56
少年法改正前に出版された改正反対の本。世の改正の流れを止めることは叶わず、改正された。令和4年4月から施行され今年で3年目。多少のざわつきはあったが、今のところ大きな問題もなく運用されているように思う。ここでは、改正反対の立場の人たちから如何に改正前の少年法が機能し、改善更生に寄与しているか耳にタコができるくらい語られる。そうなんだよね。20歳未満の少年には刑事罰よりも保護処分なんだけどな。社会の流れは誰にも止められない。虚しさの残る読書だった。2024/07/26
ゲオルギオ・ハーン
26
少年法改正について、18・19歳を特定少年とすることへの懸念がまとめられた一冊。改正が確定してから発行しているためか、元非行少年たちの対談や非行少年たちの社会復帰を支援している団体などの方からのコメントも集めていて、関係者ほど今回の改正に懸念を示していることが分かる。歴史的な経緯から批判しているところが興味深く、大正時代制定の旧少年法は18歳未満としていたが、1948年制定の現行少年法は犯罪の傾向を分析し、18・19歳の未熟さと道を誤った時のケアが重要ということで20歳未満までに引き上げていた。2022/02/23
てくてく
4
クラウドファンディングリターン品。今回の改正に反対の立場から、それぞれの主張がまとめられている。特定少年とされた年齢層の虞犯少年こそ大人が責任をもって対応し、社会において信頼できる大人がいることを示す必要があるのだということを理解した。今回の改正はやはり必要な理由は無かった改正なのだろう。2021/06/24
Go Extreme
1
18・19歳非行少年の現状と少年法改正: 少年法はなぜ改正されるのか 日本社会における若者像と「厳罰化」の意味 「特定少年」への「犯情」の導入と家裁調査官の調査 18・19歳非行少年の矯正と少年法改正 推知報道禁止の一部解除をどう見るか Q&A 18・19歳非行少年の立直りと少年法 18・19歳の少年事件事例集 立ち直った元少年たち 座談会:少年院出院者は語る 痛みを知る人こそ活躍できる社会に 一言メッセージ集 少年法はもっと生かせる!(各界56名の発言)2021/10/10