内容説明
現代の司法取引は、米国等で企業犯罪の摘発に大きな効果を挙げている。司法取引が主要国で果たしている機能は、企業による捜査当局への犯罪の自主申告・捜査協力を促し、犯罪により生じた問題を是正することである。日本でもその機能が十分果たせるのか。日本の司法取引はどこへ向かうのか?
目次
第1部 司法取引に関する概念の整理―司法取引を読み解く道しるべ(協議・合意制度の施行―「日本版司法取引」の新設;2種類の捜査協力型司法取引;「司法取引」の教会の画定)
第2部 現代的司法取引の誕生と発展―経済事犯に見る米国の司法取引(米国の刑事司法制度の基礎;米国の司法取引の歴史;司法取引の手続の流れ1―捜査機関への発覚前に自己申告する場合;司法取引の手続の流れ2―捜査開始後に捜査協力する場合)
第3部 現代的司法取引の世界的な拡散―米国以外の主要国の動向(現代的司法取引の国際的な広がり;英国のDPA;フランスのDPA;カナダのDPA;シンガポールのDPA;オーストラリアのDPA;小括 5カ国のDPA制度に共通する要素)
第4部 日本の協議・合意制度の検討―米国等の司法取引事情を踏まえて(協議・合意制度の利用形態;古典的司法取引として用いる場合;現代的司法取引として用いる場合)
第5部 日本版司法取引の展望―協議・合意制度はどこへ向かうか(第1号案件;第2号案件;協議・合意制度の今後の展望)
著者等紹介
市川雅士[イチカワマサシ]
弁護士。司法研修所61期修了。2008年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。2016年米国ニューヨーク州弁護士登録。主な業務分野は、競争法/独占禁止法やデータ保護法/個人情報保護法など。第7回季刊刑事弁護新人賞(最優秀賞)受賞
土岐俊太[ドキシュンタ]
弁護士。司法研修所68期修了。2015年弁護士登録(大阪弁護士会所属)。主な業務分野は、M&A、会社訴訟、ファイナンス、不動産、刑事事件など
山口祥太[ヤマグチショウタ]
弁護士。司法研修所70期修了。2017年弁護士登録(第二東京弁護士会所属)。主な業務分野は、会社法、紛争処理、危機管理、刑事事件など。特に、危機管理分野においては大型企業不祥事案件に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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