内容説明
ハンガリーの災害復興では、被災地域全体の再生が住民の立場から立案・実施された。日本の考え方との違いを探る。
目次
第1章 被災者の救済と復興住宅(フックス家(コロンタール村)
レフマン家(コロンタール村) ほか)
第2章 被災地の救済から地域の復興・再生へ(住民集会;緊急支援と自営業の救済 ほか)
第3章 政府の事故対応から地域の復興政策へ(緊急避難;首相演説と救済基金 ほか)
第4章 赤泥は無害か有害か?―国際基準より厳しい国内基準の制定(国際基準では無害;ハンガリー基準では有害 ほか)
第5章 復興のハンガリーモデルと日本の復興政策(被災者救済の先行例;赤泥事故後における復興政策 ほか)
著者等紹介
家田修[イエダオサム]
北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授。1953年生まれ。1977年東京大学経済学部経済学科卒。1985年東京大学大学院経済研究科博士課程単位取得退学。1986年広島大学経済学部助手。1987年東京大学経済学博士号取得。1990年北海道大学スラブ研究センター助教授、1995年同教授、2002年~2004年及び2014年5月よりセンター長。東欧地域研究を専攻。東日本大震災後、研究者や札幌市民とともに原発事故による被災者復興支援を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
19
記録を忘れていた本。ハンガリーで2010年に起った赤泥流出事故では10名の住民が亡くなり、付近一帯の環境に重大な影響を与えた。赤泥はアルミニウム製造の過程で出る強アルカリ性の残滓。事故の直接の責任はアルミ会社にあるが、被害の甚大さを鑑み、政府は迅速に処理に当たり、被害者救済に努めた。加害会社の責任は責任として、人命や財産が侵害されたという事実を重視し、「被災の緩和」を第一に対策に当たったこと、募金を基金にして、コミュニティ崩壊を食い止め再生を促進するような施策に融通した手法などを著者は評価する。2018/09/01
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