内容説明
裁判員制度が始まって1年半が経過した。この間、裁判員に選ばれた人たちは真摯に審理に取り組み、大きな問題もなく、順調に制度は運用されているようである。しかし、難しい判断を迫られる否認事件や死刑求刑事件はまだまだ少ない。とくにこうした事件について、刑事司法の現場ではこれまでどのように問題があったのか、刑事弁護に精通した弁護人たちが自らの目で見、耳で聞いた司法の現実を明かす。
目次
第1部 弁護人と被告人が見た刑事司法の実態(認めるまで終わらない取調べ;供述調書は取調官の作文;被告人が体験したとんでもない取調べ ほか)
第2部 これだけは知っておこう!刑事裁判の基礎知識(無罪推定の原則;弁護人選任権;責任能力 ほか)
第3部 実際にあった信じられない冤罪事件(アリバイのあった死刑囚―免田事件;届かなかった無実の叫び―松山事件;隠し通された証拠―島田事件 ほか)