感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seekingtruth105
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本書は米国の冤罪事件を分析する。1980年代から1990年代にかけて、当日捜査の主要な手段は毛髪鑑定であり、その誤判定に加え、捜査機関が主導する面割や面通し、供述弱者に対する自白の強要等で無実の人が収監された。その背景に人種差別もあった。そこで先駆的だったのが、DNA鑑定、PCR鑑定だった。古い試料からでも正確な鑑定が可能であり、多くの無実を証明した。冤罪が明るみに出て、2000年代に死刑停止の州が続出した。死刑廃止を支持する私は、制度を維持する日本において、誤判を検証する姿勢が必要だと思う。2022/11/16