内容説明
国内社会のグローバル化により、流動化、多元化する政治社会の統合をはかる社会ガバナンスの特徴と問題性を明らかにし、党・国家主導の中国型の国民国家建設、それと表裏一体をなす権威主義体制の行方を考察する。
目次
現代中国の社会ガバナンスと政治統合
第1部 グローバリゼーションの制度化(社会主義市場経済体制における所有権改革と基層社会の変容:物権法と転形期の政治社会)
第2部 都市ガバナンス(基層社会の再編と党の役割:都市の社区建設と政治・社会統合の試み;都市の社区建設と社会管理:山東省の事例を中心に;都市における流動人口問題と社会ガバナンスのとりくみ:北京市の事例を中心に)
第3部 農村ガバナンス(広西チワン族自治区における村民自治の制度化:周縁地域における国民国家の再編;農村地域におけるアクターと統治の再編:「村官」政策の動向をめぐって)
第4部 中国型「国民」統合の試みと対外政策へのインプリケーション(現代中国の国家建設と「公民社会」のガバナンス:市民社会・ボトムアップ型国家コーポラティズム・人民社会をめぐって;「協商民主」の展開と国家ガバナンスの再構築:基層社会の「民主懇談」、「郷賢参事会」を事例にして;習近平政権における国内政治の諸動向と対外政策へのインプリケーション:「人民」統合の過程を中心にして)
現代中国における社会ガバナンスと中国型の国民国家建設の行方
著者等紹介
江口伸吾[エグチシンゴ]
1968年神奈川県生まれ。1992年成蹊大学法学部政治学科卒業。2000年成蹊大学大学院法学政治学研究科政治学専攻博士後期課程満期退学。同年より島根県立大学総合政策学部助手。2004年成蹊大学より博士号(政治学)取得。2007年より島根県立大学総合政策学部・同大学院北東アジア研究科(2009年に北東アジア開発研究科に改組)准教授をへて、現在、同教授、同大学北東アジア地域研究センター研究員。専門は、現代中国政治、政治社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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