内容説明
非対称的な暴力の下で、政治文化をも含む他国の生活に対する、部外者による大掛かりな干渉が法的にも倫理的にも正当化され得るのか。戦争と占領をめぐる「法についての文化」「法にあらわれた文化」の観点から多角的に検証する。
目次
序 戦争と占領の法文化
第1部 戦争と占領をめぐる法秩序(国際法学における「法文化」に関する一考察:日清・日露戦争期日本人法学者による「対外発信」を題材として;武力紛争に関連する文化遺産破壊をめぐる国際裁判:国際刑事裁判所判例アル・マフディ事件における文化的考慮;国際連合による暫定統治と移行期における法関係:東ティモールを例に)
第2部 統合と周縁、戦時と戦後(アイヌに対する「文身」政策:帝国秩序を可視化する身体と法;朝鮮総督府の植民地政策と韓国の法文化;法制改廃委員会研究序説;占領管理体制と軍事占領裁判所:第一軍団占領下の京都における運用を中心に)