内容説明
利用者の視点から法的手段を考えることで、本書の各章からは紛争を解決するための種類・手段・選択する人々の姿が浮かび上がってくる。同時に「文化」の枠組みで法・紛争を捉える試みと議論が展開される。
目次
序 法を使う/紛争文化
第1章 13世紀教会裁判所における紛争解決
第2章 鎌倉御家人の法生活と訴訟:悔返・未処分を中心に
第3章 名誉をめぐる攻防:「魔女」の名誉棄損訴訟と司法利用の戦略
第4章 旧韓末期朝鮮の日本影響下における「訴訟観」の変化
第5章 二重体制期オーストリア諸邦における自治体調停制度:利用者の立場から考える
第6章 明治民事訴訟法の「使い方」:手続の手引・書式集・素人向け手引の検討
第7章 ジャック・ヴェルジェスの司法戦略とミシェル・フーコーの哲学について
第8章 紛争行動/法使用行動と法文化について
第9章 「文化」構成要素の分節化についての一試論