内容説明
東南アジア歴訪、日印提携、日中関係、レバノン危機とアラブ・アフリカ外交そして訪欧、在日朝鮮人の「北送」など岸政権の軌跡の政治的深奥を見極めつつ日本の「アジアとの真の和解」、「独立の完成」を模索する。
目次
第1章 岸政権の成立と東南アジア歴訪
第2章 「日米/日英新時代」とアジア外交
第3章 「日印提携」と第二次東南アジア歴訪
第4章 アジア積極外交と日中関係の断絶
第5章 レバノン危機と「アラブ・アフリカ外交」
第6章 岸の訪欧と在日朝鮮人の「北送」
おわりに 「アジア主義」の逆説
著者等紹介
権容〓[コンヨンソク]
1970年韓国ソウル市生まれ。1994年一橋大学法学部卒業。2003年一橋大学大学院法学研究科博士課程修了(法学博士)。2003年一橋大学大学院法学研究科研究助手。2004年一橋大学大学院法学研究科専任講師。現在、一橋大学大学院法学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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清 義明
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岸政権期の外交が今まで対米従属路線として見られてきたことについて、その実際の中身はどうだったのか。 実際のところ、その外交は対米自主路線であり、その自主性を取り戻す担保としてアジア外交、つまりアジアの盟主たらんとする「アジア主義」があったという分析。 そのアジア主義は一番近いアジアである中国と朝鮮半島との外交で手詰まりになり、そのアジア主義に内包する国家主義的な傾向のみが前面に押し出された。 しかし、レバノン危機や核兵器、さらにはスカルノ擁護などを見ると、必ずしも従米ではない。2018/10/21