内容説明
昭和20年、敗色濃い大日本帝国。しかし戦艦大和は非常識な手段で某国の手に渡り、やがて最後を迎えた(序章に全部書いてあります)。…かに思えた昭和55年。ルポライター・上田理奈と、歴史研究員・畠山雄一(同棲中でっす)は、戦艦「大和」健在の噂を聞きつける。2人は噂の出所とされるアルゼンチンに渡り、そこでトンデモないものと出会う(バレバレ?)。やがて元大和艦長・森上信衛や元射撃手・村口元輝(聞き覚えありますね)をも巻き込み、想像外の事態へと発展する…。奇絶壮絶!小林たけしが『陸軍機動歩兵「イシ」』(未読の方はお早めにお求めを)に続き、戦艦「大和」を愛するすべての方へ、万感の思いを込めて叩きつける戦時冒険活劇。
著者等紹介
小林たけし[コバヤシタケシ]
戦記漫画家として長年活躍。一方で漫画原作者として20本以上の原作を居村真二氏、松田大秀氏などに提供。実業之日本社より『帝国海軍原爆強奪計画』(全2巻)で小説デビュー
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感想・レビュー
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ねんこさん
4
太平洋戦争末期に牛と交換という形式でアルゼンチンに譲渡された戦艦大和が、フォークランド紛争に参加して戦艦の意地を見せつけるという話。と言っても英艦隊相手に獅子奮迅の大活躍などでは決してなく、アルゼンチン海軍航空隊と潜水艦による攻撃で損傷を受けた英空母への据え物斬り的な攻撃にとどまっているのが良心的。作者自身現代戦に戦艦は無用の長物と理解した上で、それでも敢えて悲運の艦に見せ場を作ってやろうと想い執筆しているのが感じ取れた。小林たけし作品は地味な上に所謂仮想戦記とは少し違った話が多いが、何故か涙腺に来る。2011/07/12
Meistersinger
0
牛と交換か・・・2006/08/25