内容説明
気弱で、繊細で、もがいていた、幼少期から20代までを「食べられなかったもの」で振り返る30篇のエッセイ集。
目次
音を立ててゆで卵を割れなかった
あのドクターペッパーとってよ
カニ最高!
真夏の午後のかけうどん
なに食わぬもみじ饅頭
フォカヌポウ
腐ってしまった時間について
神戸さんのクイズ
日の差しすぎているデニーズで
ジェットストリーム・ザ・そうめんスライダー
貴婦人のワルツ
なまじろい
壊れかけの家系ラーメン
スーパースターの天ぷら
星野くんと湯豆腐
夏の致死量
水餃子って絶対言って
マリモ
8月、新宿三丁目にて
恐怖の砂糖工場〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
48
「食べられなかったあの頃の記憶」本書は著者の生湯葉シホのエッセイである。テーマは『食べられなかった食べ物』!生湯葉さんは人生でこんなときこんな食べ物と出会い、如何に食べられなかったを描いた作品。めっちゃいい😆生湯葉さんの怒りだったり苦しさが伝わってくるだけではなく、生湯葉さんの優しさだったり細かい所まで見ているといった人柄も一緒に伝わってくる作品!いまのお話のように単に好みで食べられないというより、周りの環境や状況によって食べられないというお話がメインであった😆2025/06/03
えつ
14
初めましての生湯葉さん。お名前もタイトルも魅力的すぎて手に取らずにはいられなかった。ちょっと読んだときに、文章の感じも好きで、噛み締めながら読みたい…!と思ったから、少しずつゆっくり読んだ。幼少期から20代までを「食べられなかったもの」で振り返る30篇からなるエッセイ集。ものすごく繊細!!!敏感!!!読んでいて、共感できることもあれば、そうでないことももちろんあって。わたしにはない部分を、“なるほど。こう捉える人もいるのね。”といった感じで知ることが出来て、面白かった。もっともっと読んでいたかったです。2025/08/05
のっち
11
☆☆☆ 本書は著者の食べられなかったものをモチーフとした30篇のエッセイ集。一言「食べられなかった」と言ってもその理由は様々。食物アレルギーだったり、腐らせてしまったり、また心理的なこともあれば、食事の際の音を立てることが苦手だったり。音と言えば、食事と店内BGMのミスマッチのせいだったり。実際食べてはいるけど、本来の味を味わおうとはしていなかったり、などなど。つまりはとても感受性が豊かな方なのだろう。それでいて掴み所がないような印象も持ったが、これが作品自体もそう読まれると、少し勿体無い感じがした。2025/06/13
Hanna
5
著者自身が「食べられなかったもの」を巡る30篇からなるショート・エッセイ集。食べられなかっただけに、拗ねて食べられなかったすき焼きの話なんていうのも。一方で、聖書に落書きしたと言われてしまったのは、「恩赦」は「ゆるし」に、「過越祭」は「春のパン祭」と書き換え、先生からは添削と言われたもの。春のパン祭がうまいなぁと☆2025/06/25
イヴ
1
TLで見つけた一冊です。 「食(…というより『食べられなかったもの』)を軸に、青春期に感じた生きづらさが描かれています。切迫感、哀しさ、静かな怒り…淡々とした文章の中に、強く感じられます。 感受性の強い、優しい方なんだなと感じました。2025/08/04
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