内容説明
気弱で、繊細で、もがいていた、幼少期から20代までを「食べられなかったもの」で振り返る30篇のエッセイ集。
目次
音を立ててゆで卵を割れなかった
あのドクターペッパーとってよ
カニ最高!
真夏の午後のかけうどん
なに食わぬもみじ饅頭
フォカヌポウ
腐ってしまった時間について
神戸さんのクイズ
日の差しすぎているデニーズで
ジェットストリーム・ザ・そうめんスライダー
貴婦人のワルツ
なまじろい
壊れかけの家系ラーメン
スーパースターの天ぷら
星野くんと湯豆腐
夏の致死量
水餃子って絶対言って
マリモ
8月、新宿三丁目にて
恐怖の砂糖工場〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
46
「食べられなかったあの頃の記憶」本書は著者の生湯葉シホのエッセイである。テーマは『食べられなかった食べ物』!生湯葉さんは人生でこんなときこんな食べ物と出会い、如何に食べられなかったを描いた作品。めっちゃいい😆生湯葉さんの怒りだったり苦しさが伝わってくるだけではなく、生湯葉さんの優しさだったり細かい所まで見ているといった人柄も一緒に伝わってくる作品!いまのお話のように単に好みで食べられないというより、周りの環境や状況によって食べられないというお話がメインであった😆2025/06/03
のっち
10
☆☆☆ 本書は著者の食べられなかったものをモチーフとした30篇のエッセイ集。一言「食べられなかった」と言ってもその理由は様々。食物アレルギーだったり、腐らせてしまったり、また心理的なこともあれば、食事の際の音を立てることが苦手だったり。音と言えば、食事と店内BGMのミスマッチのせいだったり。実際食べてはいるけど、本来の味を味わおうとはしていなかったり、などなど。つまりはとても感受性が豊かな方なのだろう。それでいて掴み所がないような印象も持ったが、これが作品自体もそう読まれると、少し勿体無い感じがした。2025/06/13
Hanna
5
著者自身が「食べられなかったもの」を巡る30篇からなるショート・エッセイ集。食べられなかっただけに、拗ねて食べられなかったすき焼きの話なんていうのも。一方で、聖書に落書きしたと言われてしまったのは、「恩赦」は「ゆるし」に、「過越祭」は「春のパン祭」と書き換え、先生からは添削と言われたもの。春のパン祭がうまいなぁと☆2025/06/25
四月
1
題名と表紙に魅せられて購入しましたが、文章がすごく好き。淡々と語られているようだけどちゃんとその時の悔しさとか怒りをちゃんと感じられる。「もっともっとこの人の文章を読みたい!」と脳が言ってくるので休憩なしで読み進めてしまいました。満足感でいっぱい。2025/06/26