内容説明
ジャック・タチによるフランス映画の名作、待望の初邦訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲國斎
13
今から50年近く前の学生のころ、この映画(ぴあの評価も高かったな)を見よう見ようとと思いつつ、ついに見ぬままに過ぎてしまった。伯父さんとぼくのほのぼのと温もりある関係に癒されるお話。エテックスさんのイラストも楽しい。両親がガレージに閉じ込められ、家政婦を呼んで助けてと命令するところ、笑えた!映画探してみるかな。2024/11/22
朔ちゃん
4
ジャック・タチの映画が好きで、手にとった。しかも大好きなシーンが表紙になっているよ!ぼくの大好きな伯父さんの回顧録。もう戻らない懐かしい日々を思い出してちょっぴり感傷的になるけれど…。ユニークな伯父さんがいたおかげで、色んな世界で刺激をうけたぼくは、ラストで気付きを得てグッと成長する。こういう叔父さんのような風変わりな人たちを、余裕をもって受け入れられる世の中になったらいいなと思う。2023/04/08
warimachi
4
ジャック・タチの映画を、ピエール・エテックスの挿画をつけてジャン=クロード・カリエールがノベライズするという、なんとも豪華な作品。大人になった「ぼく」による回想という形で情感たっぷりに語り直されており、映画に対するノベライズとしてはこれ以上のものはない、というほどの出来。2023/02/15
本の紙魚
3
「映画と原作、同じだ〜」と途中まで読んでノベライズだと気がついた…そりゃ同じなはず。存在感が際立つ魚の噴水に、アパート入り口からの道のりが長く、なかなか辿り着けない伯父さんの部屋。小粋なイラストが雰囲気を盛り上げている。風刺の聞いた作品というイメージだったが、小説版では大人になってからの「ぼく」の視点での伯父さんと家族の描写が入っている。決して伯父さんを理想化していたわけでも、両親のすべてを否定していたわけでもないことが分かる。住みにくそうな理想の家と雇う意味がないのに雇っている女中さんにはやっぱり笑う。2023/04/30
よだみな
2
映画のノベライズで、語り手は大人になったぼく。 無機質で潔癖な退屈な暮らしから、雑多でとても清潔とはいえない叔父さんの住む街で過ごしたしあわせな時間をなつかしむ構成だった。 挿し絵はピエール・エテックス。こういう絵を描きたい。2023/10/09