出版社内容情報
自分の台所をもつすべての人へ。
70年代の人気料理エッセイ、待望の復刊。
作家、桐島洋子さんの名著『聡明な女は料理がうまい』(1976年初版)が待望の復刊です。聡明な女性はいつの時代も家事を合理的に再編成し、台所を賢く支配する。痛快な語り口で、「料理こそ愛!」としみじみ感じる内容は、男女問わず、幅広い世代に読んでいただきたい作品です。台所づくりから具体的な献立やレシピも役立ち、台所に立つ気持ちを鼓舞してくれる1冊。解説は『暮しの手帖』編集長の松浦弥太郎氏。
編集者のおすすめポイント
1976年に刊行され、料理ブームの先駆けとなった作品を復刊しました。この本は、社会が進化しても変わらない“女性の生き方”について、“料理”と“台所”を通して提示するエッセイです。家事を手放すことが女性の自立につながるのではなく、自分の暮らしを確立してこそ聡明な生き方ができる、と痛快な語り口が心地よい。台所づくり、肉、魚、野菜料理やパーティの開き方など具体的な知恵まで、幅広い年代に共感される名作です。
著者略歴
桐島洋子
文藝春秋に勤務した後、フリーのジャーナリストとして海外各地を放浪。70年に処女作『渚と澪と舵』で作家デビュー。72年『淋しいアメリカ人』で第3回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。女性の生き方についての本を多数執筆、翻訳する。マスメディアの第一線で活躍し、独身のまま、かれん(モデル)、ノエル(エッセイスト)、ローランド(フォトグラファー)の3児を育て上げる。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うめ
36
家にある材料、調味料を把握して。献立を組み立て、洗って切って炒めて茹でて盛り付ける。余ったものは保存したりアレンジしたり無駄無いよう。栄養バランスや味のメリハリも考えて。だらだら時間をかけるのではなく(コトコト煮込むものなどを除く)冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちに。ごはんが炊き上がる頃には出来上がるように。頭(記憶力、応用力、ひらめき)を使い、手を使い、目を使い、舌を使い、耳を使い、鼻を使う。確かに、料理が上手い人は、聡明な人だと思う。私ももっと手際良く作業できるよう精進したい。2016/12/25
アコ
33
秀作。長らく知りながら読まずにいた本。ウーマンリブな著者なので、料理という言葉は比喩かと思いきや、魅力的なレシピが盛りだくさん&料理の合理化・省力化を提唱。誰もが知ってる料理と言いながら、茄子=ムサカだなんて海外に詳しい著者らしい。中華も多め。「失敗したところで爆弾の調合じゃないんだから生命に別状はありゃしない」など容赦ない物言いも好き。9-10章の各国で出会った料理紹介をじっくり読みたいので購入しよう。◇『一生のあいだ日々新たに自己表現の機会を与えられ続けるというのは本当に素敵なことだ』2017/07/31
えりまき
17
2024(112)柚木さんの「とりあえずお湯わかせ」関連。初読み作家さん。やや時代は感じますが、パワフルな文章で痛快です!(ウィキペディアを見たら、生き方もパワフルでした)。前料理とは「果敢な決断と実行」「大胆で柔軟な発想力」「明晰な頭脳」「機敏な運動神経」「たくましい体力」「「冷静な判断力」「ゆたかな包容力「謙虚のないさわやかさ」。客の声を聞くなり何を出すか考えるよりも前に反射的に鍋に水を入れて火にかける。たとえ結局使い道がなかろうと、台所に湯げを立てるだけでも精神安定の一助になるものだ。」 2024/04/29
Koki Miyachi
15
1976年桐島洋子三十代最後の年に書かれたエッセイ。「愛」を主題にした人生論の書き下ろしを依頼されて「料理こそ愛」というテーマで書く事になったそうだ。従軍記者としてヴェトナム戦争に行ったり、アメリカを放浪したり、破天荒な人生を送った筆者の料理の引き出しは限りなく広く深い。愛をもって料理を考える。材料を吟味して料理法を工夫して、大切な人のことを思って準備する料理はきっととても美味しい筈だ。このプロセスの全てに繊細な感性、大胆な生き方が惜しみなく投影されていて、楽しく知性に溢れた人生論になっていた。2013/09/17
サラダボウル
14
思い出し登録。中高生の頃に読んだ本。その後、彼女の本は結構読んだ。彼女の本から料理や外国、生き方までも広い空を見る気持ちになった。10代の頃はこっそり、"聡明で料理ができるオトナの女性"に憧れたんだなぁ(書いてて恥ずかしいですが)。図書館にない‥。2021/10/09
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